とりあえず、お腹がすきすぎて目が回りそうなので、近くの紅茶専門店のアフタヌーンティーセットをいただいた。
ランチとおやつ兼用だ。
クロテッドクリームをスコーンにたっぷり塗って食べながら遙香の話を聞いた。
お能に飽きた遙香は、新撰組の刀傷が残る太鼓楼を見に抜け出して、そこでさっきの法衣の職員さんが携帯電話でたぶん恋人と口論してるのに出くわしたらしい。
「……え?痴話喧嘩してはるのん聞いて惚れたん?」
燈子ちゃんが驚いて聞き返した。
「違うもん。すごく熱心に諭(さと)してはってるのがかっこよくて……うらやましいというか……」
遙香の言葉に、何となくうなずきつつ
「執着と愛情を感じた?でも他人(ひと)のもんやで?」
と、つい言ってしまった。
すると遙香は、首をかしげた。
「よくわからへんねん。ただ、電話を切らはってから、目が合って……その目に射殺(いころ)された気がする。」
へ?
「射殺される、って!怖い!」
奈津菜が怖がると、遙香はうなずいた。
「うん……怖くて……動けなくなった……」
……何か、それって……
「ねえ?それ、惚れたんじゃなくて、単に怖かっただけじゃなくて?」
恋愛じゃないんじゃない?
遙香は何とも言えない変な表情をして黙っていた。
「さっきのあの人やんなあ……確かに、物腰柔らかいのに、目が野性的というか、鋭かった。」
燈子ちゃんがそう言うと、遙香はうんうんとうなずいた。
「ね!かっこよかったでしょ!?」
そう言われても……
「や~、私には彩乃くんのほうがかっこよく見えるからなあ。」
ついつい本音でそう言ってしまう。
奈津菜も釣られたのか
「佐野先生のほうが上品なお顔してる~。」
と、言った。
遙香は、イラッとしたらしく
「女の色気だだもれの女形と、頼りない小デブと一緒にせんといて!男の色気がわからんか!」
と声を荒げた。
……あれが男の色気というものか……。
思わず後学のために、もう一度あの職員さんを見に戻ろうかと思ってしまった。
中間テストが終わると、遙香は放課後、お寺へ通い始めた。
残念ながら何度通っても一般参拝客が立ち入れるところに彼を見つけることはできなかったらしい。
しかし綺麗な女子高生がお寺にほぼ日参するのは、はっきり言って目立つ。
遙香は、浮わついた若い職員に声をかけられ、地道に伝手(つて)を築き始めた。
……さすがというか何と言うか……じわじわとお寺の職員にお友達を増やし、彼の情報収集につ
とめたようだ。
1ヶ月もかからずに、彼の住所、実家、メールアドレスまで網羅していた。
ランチとおやつ兼用だ。
クロテッドクリームをスコーンにたっぷり塗って食べながら遙香の話を聞いた。
お能に飽きた遙香は、新撰組の刀傷が残る太鼓楼を見に抜け出して、そこでさっきの法衣の職員さんが携帯電話でたぶん恋人と口論してるのに出くわしたらしい。
「……え?痴話喧嘩してはるのん聞いて惚れたん?」
燈子ちゃんが驚いて聞き返した。
「違うもん。すごく熱心に諭(さと)してはってるのがかっこよくて……うらやましいというか……」
遙香の言葉に、何となくうなずきつつ
「執着と愛情を感じた?でも他人(ひと)のもんやで?」
と、つい言ってしまった。
すると遙香は、首をかしげた。
「よくわからへんねん。ただ、電話を切らはってから、目が合って……その目に射殺(いころ)された気がする。」
へ?
「射殺される、って!怖い!」
奈津菜が怖がると、遙香はうなずいた。
「うん……怖くて……動けなくなった……」
……何か、それって……
「ねえ?それ、惚れたんじゃなくて、単に怖かっただけじゃなくて?」
恋愛じゃないんじゃない?
遙香は何とも言えない変な表情をして黙っていた。
「さっきのあの人やんなあ……確かに、物腰柔らかいのに、目が野性的というか、鋭かった。」
燈子ちゃんがそう言うと、遙香はうんうんとうなずいた。
「ね!かっこよかったでしょ!?」
そう言われても……
「や~、私には彩乃くんのほうがかっこよく見えるからなあ。」
ついつい本音でそう言ってしまう。
奈津菜も釣られたのか
「佐野先生のほうが上品なお顔してる~。」
と、言った。
遙香は、イラッとしたらしく
「女の色気だだもれの女形と、頼りない小デブと一緒にせんといて!男の色気がわからんか!」
と声を荒げた。
……あれが男の色気というものか……。
思わず後学のために、もう一度あの職員さんを見に戻ろうかと思ってしまった。
中間テストが終わると、遙香は放課後、お寺へ通い始めた。
残念ながら何度通っても一般参拝客が立ち入れるところに彼を見つけることはできなかったらしい。
しかし綺麗な女子高生がお寺にほぼ日参するのは、はっきり言って目立つ。
遙香は、浮わついた若い職員に声をかけられ、地道に伝手(つて)を築き始めた。
……さすがというか何と言うか……じわじわとお寺の職員にお友達を増やし、彼の情報収集につ
とめたようだ。
1ヶ月もかからずに、彼の住所、実家、メールアドレスまで網羅していた。



