彩乃くんの掌(てのひら)に自らも頬を押し付けて、さらに私の手を彩乃くんの手に重ねる。
「自分がいかにちっぽけな存在か……思い知らされるわ。ごめんね。」
やっとそれだけ言ったら、彩乃くんの顔が悲しそうに歪んだ。
そして力強く引き寄せられ、強く抱きしめられるた。
「あきは何も悪くない。ごめん。俺がもっとしっかりしなあかんねん。」
彩乃くんの言葉が悲愴で、私は胸が痛くなる。
まだ高校2年生になったばかりやのに……ずいぶんと重い荷物を両肩に背負ってしまってる彩乃くん。
彩乃くんの本当のお父さまが存命なら、状況は違ったのに。
でも、考えてみたら、お家元は女の細腕で長年独りで守ってらっしゃるわけで。
高校生だろうが未成年だろうが、お家元を、おばあさまをお助けすべきだとは思う。
私は彩乃くんの背中に回した手に力を込めた。
「焦らんとこ。できることから、やろ。彩乃くんは一生懸命お稽古して。私は来年生徒会長の任期が終わったら芳澤流に入るから。」
強くならなきゃ。
何を言われても負けない心を育てて、気を強く持って。
この人を守らなきゃ。
「入るって……」
彩乃くんが、体を起こして私の顔を見る。
「今みたいな中途半端な立場じゃなくて、お家元の手足になって勉強するの。」
そう言って私は笑ってみせた。
大丈夫。
私はできる。
何でもできる。
彩乃くんのためなら。
「……不敵な顔してる。違うな、無敵かな。」
彩乃くんがそう言って、苦笑した。
「頼もしい?」
私がそう聞くと、彩乃くんは天を仰いだ。
「いや、むしろ心配……あきが頑張りすぎそうで。でも……」
そこまで言って、彩乃くんは至近距離でじっと私を見つめた。
「だからこそ、俺があきを守らんとあかん、って、気合い入った。」
そう言って、彩乃くんは私の唇に自分の唇を重ねた。
……キス……わ~~~~!!!
唇が触れるだけの軽いキスだけど、私たちは満開の藤の花の中ではじめての口づけと相成った。
……みんなが言うように、彩乃くんらしいロマンティックなシチュエーションと言えるのではなかろうか……。
「寒くないか?」
唇をそっと放した彩乃くんが、私を抱きしめる手に力を入れながら聞いた。
「……寒いってほどでもないけど……朝までこのままやと風邪ひくかもね。」
「せやな。あき、あの布団で寝るか?俺は大丈夫やし。……クシュッ」
言うてるそばから、彩乃くんは小さなくしゃみをした。
大丈夫ちゃうやん。
強がりゆーてからに。
かわいいなあ、もう!
私は、彩乃くんの背中をなでなでしながら、言った。
「一緒に寝よ。かまへんし。」
彩乃くんは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「いや?」
ちょっとうるうるモードでそう聞くと、彩乃くんは表情を和らげて、唇を私の額に押し付けた。
「……嫌なわけないやろ。」
あま~い。
なんか、やっと普通の「恋人」になった気分。
「自分がいかにちっぽけな存在か……思い知らされるわ。ごめんね。」
やっとそれだけ言ったら、彩乃くんの顔が悲しそうに歪んだ。
そして力強く引き寄せられ、強く抱きしめられるた。
「あきは何も悪くない。ごめん。俺がもっとしっかりしなあかんねん。」
彩乃くんの言葉が悲愴で、私は胸が痛くなる。
まだ高校2年生になったばかりやのに……ずいぶんと重い荷物を両肩に背負ってしまってる彩乃くん。
彩乃くんの本当のお父さまが存命なら、状況は違ったのに。
でも、考えてみたら、お家元は女の細腕で長年独りで守ってらっしゃるわけで。
高校生だろうが未成年だろうが、お家元を、おばあさまをお助けすべきだとは思う。
私は彩乃くんの背中に回した手に力を込めた。
「焦らんとこ。できることから、やろ。彩乃くんは一生懸命お稽古して。私は来年生徒会長の任期が終わったら芳澤流に入るから。」
強くならなきゃ。
何を言われても負けない心を育てて、気を強く持って。
この人を守らなきゃ。
「入るって……」
彩乃くんが、体を起こして私の顔を見る。
「今みたいな中途半端な立場じゃなくて、お家元の手足になって勉強するの。」
そう言って私は笑ってみせた。
大丈夫。
私はできる。
何でもできる。
彩乃くんのためなら。
「……不敵な顔してる。違うな、無敵かな。」
彩乃くんがそう言って、苦笑した。
「頼もしい?」
私がそう聞くと、彩乃くんは天を仰いだ。
「いや、むしろ心配……あきが頑張りすぎそうで。でも……」
そこまで言って、彩乃くんは至近距離でじっと私を見つめた。
「だからこそ、俺があきを守らんとあかん、って、気合い入った。」
そう言って、彩乃くんは私の唇に自分の唇を重ねた。
……キス……わ~~~~!!!
唇が触れるだけの軽いキスだけど、私たちは満開の藤の花の中ではじめての口づけと相成った。
……みんなが言うように、彩乃くんらしいロマンティックなシチュエーションと言えるのではなかろうか……。
「寒くないか?」
唇をそっと放した彩乃くんが、私を抱きしめる手に力を入れながら聞いた。
「……寒いってほどでもないけど……朝までこのままやと風邪ひくかもね。」
「せやな。あき、あの布団で寝るか?俺は大丈夫やし。……クシュッ」
言うてるそばから、彩乃くんは小さなくしゃみをした。
大丈夫ちゃうやん。
強がりゆーてからに。
かわいいなあ、もう!
私は、彩乃くんの背中をなでなでしながら、言った。
「一緒に寝よ。かまへんし。」
彩乃くんは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「いや?」
ちょっとうるうるモードでそう聞くと、彩乃くんは表情を和らげて、唇を私の額に押し付けた。
「……嫌なわけないやろ。」
あま~い。
なんか、やっと普通の「恋人」になった気分。



