彩乃くんの味方が私の味方ではないし、彩乃くんの敵が私の敵ではない。
当たり前のことだけど、私はこの日はじめてそれを痛感した。
「あきらけいこにチケットもらってくれって言われたけど……なんで、彩乃はあんなに落ち込んでるの?」
お茶席にやってきたセルジュの言葉に、私はため息をついた。
ブルータス、お前もか!
「さあ。……煩悶してはるのはわかるねんけど……『来るな』って言われたしなあ。」
そう言いながら、チケットを袋ごと渡す。
「私の友達3人と私の分も入ってるから、適当に取って。」
セルジュからチケットを見せられて、義人くんはさらっと言った。
「ほなま、お友達3人に最前列は譲って、俺らとあきちゃんは2列目で。」
「ありがとう。あ、義人くん。遥香が張り切って着物で来るらしいし、一緒に写真撮ったげて。」
一応そうお願いして、私は水屋に戻った。
次に私が他のお客人にお菓子をお運びしに出た時、師の師が義人くんの横に座り込んで話していた。
……思えばあの3人とお母さまこそが、彩乃くんをベタベタに甘やかしてワガママに拍車をかけさせてる張本人な気がする。
彼らは、彩乃くんが私に気があるから私にも親切にしてくれてただけなのに、私はどうも自惚れていたようだ。
きっと彩乃くんにとって私が障害物だったり敵だったりすると、掌(てのひら)を返されるのだろう。
どうして今まで気付かなかったんだろう。
私は自分のおめでたさに苦笑するしかなかった。
水屋でお茶のセットをしていると、さっきとは打って変わって明るい声で師の師に呼ばれた。
「あきちゃ~ん。お友達、来はったえ。ここはもういいから、案内したげよし。お疲れさん。」
……義人くんと話すことで何らかの誤解が解けたのだろうか……うすら寒い心地でお礼を言い、3人分のお菓子を持って出た。
まだ包帯の痛々しいスーツ姿の燈子ちゃん、華やかな小紋の遥香、そして白いワンピースの奈津菜。
3人の姿を見て、私はじんわりと浮かんでくる涙を止めることができなかった。
紛うことなき私の友人の存在に、これだけ救われるとは思わなかった。
「あきちゃん?どうした?……やっぱり……つらいんか?」
燈子ちゃんが、誰かにイジメられたのか?とばかりに、周囲を見廻して肩を抱き背中をさすってくれた。
「……ううん。ちがうねん。来てくれて、うれしい……」
私は3人まとめて、ぎゅーっとしがみついた。
普段からベタベタのスキンシップをするような、そんな友達関係じゃないので、3人は面くらっていた。
当たり前のことだけど、私はこの日はじめてそれを痛感した。
「あきらけいこにチケットもらってくれって言われたけど……なんで、彩乃はあんなに落ち込んでるの?」
お茶席にやってきたセルジュの言葉に、私はため息をついた。
ブルータス、お前もか!
「さあ。……煩悶してはるのはわかるねんけど……『来るな』って言われたしなあ。」
そう言いながら、チケットを袋ごと渡す。
「私の友達3人と私の分も入ってるから、適当に取って。」
セルジュからチケットを見せられて、義人くんはさらっと言った。
「ほなま、お友達3人に最前列は譲って、俺らとあきちゃんは2列目で。」
「ありがとう。あ、義人くん。遥香が張り切って着物で来るらしいし、一緒に写真撮ったげて。」
一応そうお願いして、私は水屋に戻った。
次に私が他のお客人にお菓子をお運びしに出た時、師の師が義人くんの横に座り込んで話していた。
……思えばあの3人とお母さまこそが、彩乃くんをベタベタに甘やかしてワガママに拍車をかけさせてる張本人な気がする。
彼らは、彩乃くんが私に気があるから私にも親切にしてくれてただけなのに、私はどうも自惚れていたようだ。
きっと彩乃くんにとって私が障害物だったり敵だったりすると、掌(てのひら)を返されるのだろう。
どうして今まで気付かなかったんだろう。
私は自分のおめでたさに苦笑するしかなかった。
水屋でお茶のセットをしていると、さっきとは打って変わって明るい声で師の師に呼ばれた。
「あきちゃ~ん。お友達、来はったえ。ここはもういいから、案内したげよし。お疲れさん。」
……義人くんと話すことで何らかの誤解が解けたのだろうか……うすら寒い心地でお礼を言い、3人分のお菓子を持って出た。
まだ包帯の痛々しいスーツ姿の燈子ちゃん、華やかな小紋の遥香、そして白いワンピースの奈津菜。
3人の姿を見て、私はじんわりと浮かんでくる涙を止めることができなかった。
紛うことなき私の友人の存在に、これだけ救われるとは思わなかった。
「あきちゃん?どうした?……やっぱり……つらいんか?」
燈子ちゃんが、誰かにイジメられたのか?とばかりに、周囲を見廻して肩を抱き背中をさすってくれた。
「……ううん。ちがうねん。来てくれて、うれしい……」
私は3人まとめて、ぎゅーっとしがみついた。
普段からベタベタのスキンシップをするような、そんな友達関係じゃないので、3人は面くらっていた。



