僕らのメロディー

あと一人の伴奏者は、阿蘭に決まり、指揮者も決まった。
阿蘭は男子だけどピアノがとても上手で、顔もいいのでクラスでも人気がある男子だった。
ちなみに、私の幼なじみ。
「波留、今日の練習行く?」
「行くよー!阿蘭は?」
「波留が行くなら行こうかな。てかさ、いい加減名前で呼んでよー。オレら、幼なじみだよな?」
「えー、阿蘭の名前忘れちゃった!何だっけ?」
「え!?波留、オレの名前知らない?」
「ごめん、ド忘れ!何だっけ?」
「阿蘭 晴哉。もう、忘れるなよ!」
「わかった!これからは、晴哉って呼ぶね」
「おう!よろしくな!」
このときは、ただのド忘れだと思っていた。
それが、あんなふうになるなんて。