「どうして、別れたの」 千佳ちゃんは嗚咽混じりに言った。 「私のこと嫌いになったから?」 そんなことあるもんか。 千佳ちゃんを嫌うだなんてありえない。 「どうして、そんな顔で笑ってくれるの?」 すごく嬉しかったから、だ。 「また、期待しちゃうじゃん」 俺の方こそ、そんなこと言われたら期待しそうになる。 夢を見てしまいそうになる。 君と笑い合う、叶わぬ夢を。