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ふと、昨日の先生の声を思い出す。

明日は、俺最後だけ担当だから来てね?
来てくれないと寂しい。

あんなこと言ったのに、教えてくれないじゃん…。先生の嘘つき。他の子ばっかり。そう思う私は、きっと嫉妬深いんだろうな。

ピピピッ

タイマーの無情な機械音が、終わりを知らせる。テストが終わり、私は先生に呼ばれる。


「どうだった?」
「難しかった…」

苦手な社会の出来があまりに悪かった私は、過去問とはいえ、さすがに焦っていた。

「ねぇ、先生この後空いてますか?」
「うん。教えたげよっか?」

「教えてください」

二人きりで、とは言わなかった
言ってしまえば、何かが変わってしまう気がしたから。
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