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気付いてくれるかな?

そう思い、後ろに立ってみるけど振り返らない。

もういいや…

「先生ごめん、間に合わなかった!」

目があった塾長に声をかける。
わざと、先生に聞こえるように、明るく、大きな声で。

「いや、遅刻しすぎやろ! もう終わってしもたで」

笑いながら塾長が言うと、横にいた茉莉花(マリカ)がつられて笑う。

「間に合うと思ったんですよ−」
「全然間に合ってへんやん!」

ちらっと時計を見ると6時15分。たしかに間に合うとかそんなレベルじゃない。
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