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「あっつ…」

あの日。中学最後の体育大会の日。
応援団長の雄心に、走ってる雄心に
私は目を奪われた。

夏休みに染めて、新学期に黒染めした雄心の髪は、太陽に照らされて、赤く光ってた。

「雄心、おつかれさま!」

「おう!」

表彰式で、盾を貰ってた雄心は
3年連勝で、やりきった顔をしてた。

「美月も、行進おつかれさま」
「ありがと」

吹奏楽部のわたしは、入場行進と表彰式で演奏。
体力が元からないわたしは、練習中に倒れたり、過呼吸を起こしていた。

本番は、吹き切って、保護者から見えない場所に行った瞬間なったけど

それを雄心は…知らない。


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