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(先生の匂い…)

久しぶりに、先生の匂いに包まれた私はパッと顔をあげた。

「せんせ…」
「こんにちは。今日は早いね」

目の前には、今までと違うスーツに身を包んだ先生がいた。

「うん。部活引退したから…」

少し元気のなかった私は、力のない笑顔を先生に向けていたのかもしれない。

「元気ないな、なんか」

気付いてくれた。

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