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貴方の大丈夫、の一言で
私はどれだけ踏ん張れたんだろう
助けられたんだろう

「俺がいるから」

「え?」

「なんもないよ」

ふと私の耳に届いた言葉が
間違いじゃなければ

「美月」
「なに?」

私の名前を呼ぶ貴方の声も
もうすぐ聞けなくなるかもしれない

「不安なのは美月だけじゃないよ
やから大丈夫」

ねぇ、先生

そんな顔しないで

泣きそうな、でも嬉しそうな
微妙な表情で私を見ないで

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