『『えー⁉見れない⁉』』
久しぶりに二人の声が重なった気がした。
この日はひどく混雑していて、時間に間に合うか心配だったが、まさか列の前の人で最後だったなんて。
『しゃーないな、じゃあ水族館でもいくか!』
一瞬、[なんで水族館なの!]って言いかけたが、彼がこうして自分からどこに行くかを言い出すのもめずらしかった。
私は無言で頷いていた。