「これ、渉さんが
マフラー昨日忘れて帰ったんでしょ?
返しといてって頼まれたんだけど」


私が鞄からマフラーを取り出すと
無言で立ち上がり、歩いて行って視界から消えてしまった



「え」


無視?なんなんだあいつは
と思っていたら、非常階段の扉が開く



「マフラー、サンキュ」


「あ、うん」



私からマフラーを受け取り
そのまま3段ほど上の段に腰を下ろす