最後の賭け


 バスが動き出した。窓が少し開いていて、潮の香りが舞い込んで来る。

 今日は日差しが強い。暑くなりそうだ。

 真依子はピアスケースを握り締める。

 バスが駅に着くまでに、彼が気づいて追いかけて来たら。

 今まで思っていたことを全部ぶつけて、向き合ってみよう。

 バスが駅に着いても彼の姿が見えなかったら……。