最後の賭け

付き合って一年記念と誕生日に、彼からプレゼントをもらったお返しに、今回の旅行は真依子がお金を出すことにした。

そんなことは全然気にしていない。

元々真依子が選んだ長野の温泉は、個室の露天風呂がすごくおしゃれに写っていて、クチコミもランキングも上位だった。

そこにすごく惹かれていたけれど、ユウジが提案したこの箱根の温泉も悪くはなかった。

ホテルもリフォームされたのだろう。

和室の雰囲気も古臭くなく、温泉こそ予約制だったけれど、二人きりでのんびり入ることもできた。

部屋でくつろいでいるときに鳴ったお店のお客からの電話だっていつものことだし、少なくとも一緒にいる間、徹からは電話はなかった。

 そう、帰る準備をしてロビーに降りるまでは、温泉旅行を満喫できていたはずなのに――。

「お土産ちょっと見ていいかな」

「あたしも、職場の子に買って行かないと」

 チェックアウトをする前、早めに部屋をあとにして、ロビーでお土産を見ることになった。