キャンディーポップ・ハロウィン

「当たり前じゃないのよ。わたしたちは、魔法使いなのよ?この格好が一番ふさわしいでしょうが。」

キャンディーのその姿は、黒い帽子に黒い服。

そして、肩から鞄をかけていて、髪型は、頭の横の高い位置に二つの団子結びだ。

「でもさあ。キャンディーが、その格好はまずいから、やめなさいってさっき、わたしに言ったんじゃないのよ。」

「うっ・・・それは・・・。」

キャンディーは、鞄の紐を握ったまま肩をビクッと動かした。

「い、いいのよ。別に。」

「何がいいのよ。」

「わたしは、契約上こんな姿には滅多には戻れないのよ?わたしだって、魔法使いだって言うのにあの姿じゃ魔法なんか使えないんだから。たまには、いいじゃないのよ。魔法使いらしい姿でも。」

キャンディーは、そっぽを向きながらそう言う。

「まあね・・・でも、ここは人間のセカイよ?」

フィナは、あごに手をあてながらぼおぜんとした顔でキャンディーを見つめる。

「・・・。」

キャンディーは、また肩を動かした。

「に、人間の世界でいいのよ。」