「まあ、いいわ。さあ、行くわよ。」

そう言って、フィナは歩きだす。

「フィナ、ちょっと待ちなさいよ。人間界に来たならわたしも、人間の姿にしなさいよ。それに、その格好はまずいでしょ?」

キャンディーは、フィナを見上げながら叫ぶ。

「それもそうね。」

フィナは、あたりを見渡す。

「どこか人のいない場所はないかしらね・・・。あ、あそこにしましょ。」

そう言って、フィナは小走りをする。



「うん。ここなら、大丈夫そうね。今は、誰も来ないし・・・てか、誰も来ないよね?」

フィナは、人目のない狭い道に来るとあたりを見渡す。

「よし、じゃあやりますか。」

フィナは、胸の前で手を合わせる。

そして、何かを唱えはじめる。

「我が名は、フィナ・デル・ハロウィン。ある人間に会うため訪れた。よって、我に人間の姿を授けよ。エクセレント!」

すると、フィナの身体が光だす。
 
「ふふふ・・・完璧。成功したわ。」