小さな恋のメロディ



ー日曜日

哲平は気持ち良さそうに眠っている。

もうすぐ哲平が欲しがっていたテレビが来る。
哲平が喜ぶ顔を想像するだけで私は嬉しかった。

その時、チャイムが鳴る。


「はい」

「大野さんですか?○○店です」


○○店の人はテレビを運んでセットすると、すぐに帰って行った。


「哲平、起きて」

「…ん?」

「テレビ!」

「…テレビ?」


哲平は眠そうな目を擦りながら、テレビを見て少し黙った。


「これ、どうしたの?」


喜んで…くれてない…?


「買った…」

「お金はどうした?」


強い口調で哲平が聞く。


「ママが…鞄に入れてくれてたカードで…」

「……」


長い沈黙の中、哲平が口を開いた。


「俺たち駆け落ちしてんだぜ?何でお前の親の世話になるんだよ?」

「……」
四ビはもう少し待ってって言っただろ?そんなに欲しいなら、何で俺に言わない?」


違うよ
私は哲平の喜ぶ顔が見たかっただけだよ…。

テレビが欲しかった訳じゃない……。


「いくらしたの?」

「……15万」

「……。俺が返すよ」


哲平は黙って出て行った。

こんなはずじゃ、なかったのに……。