小さな恋のメロディ

「鳴海くんと結婚するんだ!」

「だってパパ、認めてくれたでしょ…?」

「反対して、この大事な時期に家を飛び出されたら敵わんからな」

「嘘っ…」

「あんな、今にも潰れそうな町工場の息子と一緒になってどうする?幸せになれると思ってるのか?」

「なれるよ…」

「お前は何も分かってない。お前が婚姻届けを書くまでは、家から出さんからな!」


いきなり突き付けられた現実に、私は呆然とした。
さっきまで話してた哲平の笑顔が、今は凄く遠くて…。

私はどうすればいいの……?


「私今日、友達と約束があるから、それだけは行かせて?」

「そんなもん、行かなくていい!行きたいなら婚姻届けを書いてからだ!!」


私は何も言わずに玄関に向かった。
玄関には、お父さんの部下の人達が二人、ドアを塞いでいる…。


「お願い、行かせてっ…」

「ダメです」


哲平に電話しなきゃ…。
私は部屋へと戻る。

携帯が…

無い……。



「パパ!私の携帯は?!」

「お前にはもう必要ない」

「……」


私はその時初めてパパが憎いと思った。


何も…



出来なかった