「よし、じゃあお前んちに行こう!」

「えっ?」

「…俺、お前とコソコソ付き合いたくねぇし…」


そう言って、哲平は私の手を取って私の家に向かった。

私たちは一歩一歩、踏みしめるように歩く。

家に向かうこの道は、どこに続いているのだろう?

私には想像できなかった。


もしかしたら、あっさり許してくれるかもしれない。


もしかしたら、引き離されるかもしれない。


でも、
今出来る事を二人で頑張るんだ……!

家の前に着くと、赤いポルシェが…
鳴海の車が停まっていた。


「ねぇ、やっぱり今度にしない?」

「バーカ。俺たちが付き合うって事は、お前の婚約者にも納得してもらわなきゃだろ?」

「でもっ…」

「大丈夫だよ」


哲平はそう言って笑った。

でも、家の前に着いた時私の手を強く握ったのは、今二人がしようとしている事が、どれだけ大変な事か解っているからだよね?」


「ただいま…」

「お帰りなさい。今、東城さんさんが…」


後ろでペコッと礼をする哲平を見て、ママが言った。


「あら、お友達?」