小さな恋のメロディ

「俺、これから彼女とデートなんですよ」


哲平がそう言うと、鳴海はやっと冷静になって言った。


「…そっか。ごめんな」

「じゃ、俺、急ぐんで…」


そう言うと哲平は、ペコリと頭を下げて歩いて行った。


「とりあえず、車に乗って」

「うん…」


車に乗ると、鳴海が言う。


「さっきはごめんな」

「…ううん」

「でも…必死に庇うんだな…」

「…?」


鳴海は苛立った顔をして言った。

私にはよく分からなかった。

鳴海の苛立った顔の理由も

何で哲平を殴ったのかも…。


鳴海は黙ったまま車を走らせ、レストランの駐車場に車を停める。

一緒に車を降りるとレストランの中に入り、予約席の札が置かれた席に座った。


「もっとちゃんとした服を着て来れば良かった…」


そう呟く私に、鳴海は言った。


「充分奇麗だよ」


いつもとは違う鳴海に、私は少し戸惑う。

食事が次々と運ばれ、最後のデザートが来た時、鳴海がテーブルの上に小さな箱を置いた。


「…?」

「開けてみて?」


開けてみると、そこには大きなダイヤモンドがキラキラ光る、指輪が入っていた。