小さな恋のメロディ

「あっ、そうか…。哲平、送ってあげたら?もう暗いし」


ニコニコ顔で里沙が言う。


「えっ?いいよ。大丈夫だから」


哲平は、私がそう言うのを無視して言った。


「じゃあ、送ってくよ」


私と哲平は、里沙と紺野くんに見送られ、里沙の家を出た。


「今日は来て良かったよ」

「うん。楽しかったね」


哲平と会話が弾む。


「哲平は、これから陽子ちゃんと会ったりするの?」


平気な振りをして、又、一番聞きたいけど聞きたくない事を聞いてしまった。


「…お前、これからポルシェの男とデート?」

「…そんなんじゃないよ」


私はとっさに噓をつく。
でも哲平の視線の先には……

赤いポルシェが停まっていて、その隣には鳴海がたっていた…。


「変な気、使うなよ」


哲平は小声でそう言うと、そのまま鳴海に近付き、ペコリと礼をして言った。


「すみません。綾香さんお借りしてました」


すると鳴海は何も言わずに、いきなり哲平を殴る。
私は急いで哲平の方に駆け寄り、鳴海に言った。


「違うの!友達とクリスマスパーティーやってて、暗いから送って貰ったの!それだけだからっ」


お願い!哲平を殴らないで…