「綾香さん、冷たいなぁ……」


「えっ?」


「『あ~』って言っただろ?」


「ごめん、疲れてるから」


「じゃあ、切るよ」


「うん、おやすみなさい」


「……おやすみ」



やっぱり……。

今回も長続きしないな。


携帯の電話帳に、さっきかかってきた田上の携帯番号を登録する。



登録No.二十七



高校に入ってから、二十七人目の彼氏。



「高校卒業するまでに三十人いくかもね……」



そう呟くと、溜め息がでた。

知らない間に私は眠っていた。


翌日、朝から学校はざわついている。

噂の的は私。



「今度はどれくらい続くと思う?」


「私はニ週間だと思う!」


「じゃあ、私は一ヶ月!」



この女たちは、なにが楽しいんだろ?

田上と私が続いても続かなくても、なんの関係もないでしょ?


そう思った時、左頬に痛みが走る。


左頬をクラスの女に叩かれたんだ。



「まぁちゃんはね、田上君を好きだったんだよ!」



文句を言ってる女の横で、『まぁちゃん』が泣いていた。



「じゃあ、貴女が付き合えばいいじゃない」


「……信じらんない!アンタなんか死んじゃえばいいのに!!」