あんなにうざったかった学校も、今では唯一の安らぎの場所になってた。
それは、いつも隣に哲平がいるから。
クラスのバカ女たちは相変わらずだったけど、その中の何人かは、
「進藤さん、変わったね」
そう言って、今では私に勉強を聞きにきたりする。
初めは戸惑っていた私も哲平の言葉、
「良かったじゃん」
その一言と笑顔で、受け入れることができた。
哲平は私の気持ちを穏やかに、優しくしてくれる。
そしてなにより婚約者のことさえも、忘れることができた。
「そう言えば哲平、大学は行かないの?」
「俺?親父の跡継ぐから大学は行かねぇよ」
「哲平の家って、自営なの?」
「自営って言っても、世間で言う町工場だけどな」
初めて聞く哲平の家の話。
「行きたい!」
「……いいけど。家庭教師は?」
「今日は休み」
「じゃあ、学校が終わったら一緒に帰ろうぜ」
「うん」
そして学校が終わり、初めて行く哲平の家にドキドキする。
「ここだよ」
哲平の家の工場と言われてるところは、機械が何台かあって、哲平のお父さんらしき人が汗だくになって、真っ黒になった軍手をして働いていた。



