鳴海は普通に答えた。
「僕は結婚はこういう物だと思ってるから、満足も不満足もないよ」
「……」
「それに夫婦なんて、年を重ねれば気持ちは冷める。だったら、一時の感情で結婚するより、お互いメリットのある結婚の方がいいんじゃない?」
「……そう……ですね」
私は絶望みたいな物を感じた。
この男はきっと、私を愛してくれることはないだろう。
そこにふたりでいることに、なんの意味があるの?
哲平と終わったあと、この現実が待ってる……。
そしてこの男は、哲平を好きになる前の私に似ていると思った。
翌日学校が終わって家に帰ると、鳴海がいた。
父が連れて来たようだった。
「綾香、ちょっと来なさい」
私もそこに呼ばれ、父と鳴海の会話をただ聞く。
「どうだね、綾香は」
「僕は好きですよ」
「綾香のどの辺を気にいってくれたのかね?」
「そうですね。無口ででしゃばったりしない、知的なところですね。後、とても綺麗な人です」
鳴海はそう言って私の方を見ると、少し笑った。
「そうかね。そう言われると私も嬉しいよ」
パパは満足そうに笑って言った。



