”もし綾香が本当に俺の為にやってたなら…。俺はキャバクラで100万稼ぐより、時給900円で、1万でも2万でも稼いでくれた方が嬉しかったよ…”


何だ、そういう事か。
どんな高価な物より、相手が自分を想ってしてくれた行動が嬉しいって事なんだ…。

子供の頃から、当たり前のように与えられてきた私は、そこに込められた思いに気付かなかった…。


「哲平、ありがとう」

「何だよ、急に?」

「ううん。私頑張るから」

「頑張るのはいいけど、簡単な物から作れよ?お前の料理が上手くなる前に胃が…」

「酷~っい」