「良かった~!」

「?」

「毎日電話してたんだけど、全然繋がらなくて…心配したんだからっ!」

「ごめんね。ずっと電源切ってたから…」


私はマリナに、妊娠していた事、流産しかかって入院をしていた事を話した。


「そっかぁ。色々あったんだね…。今度、お祝いしに行っていい?」

「うん」

「じゃあ、行ける時に連絡するから」

「うん、ありがとう」


電話を切ると、一休みして、ご飯の準備に取り掛かる。

一人で作るのは初めてで、哲平がビックリする顔を想像しながら私は作った。



「ただいま」

「お帰り…」

「…何か焦げ臭くない?」


哲平はキョロキョロしながら、テーブルの上を見てビックリしていた…。


「?」

「一応、ハンバーグなんだけど…焦がしちゃった」

「いいよ」


哲平はまずそうな、私の自称ハンバーグを嬉しそうに食べる。


「ごめんね、まずいよね?」

「美味しくは無いけど、嬉しいからいいよ」

「嬉しい?」

「高いレストランでご馳走されるより、綾香が作ってくれた方が嬉しい」


前に言ってた哲平の言葉を思い出した。