「おい、行くぞ!」

「うん!」

教室に帰る途中、私は、ゆうとに、

「さっきは、ありがと」

「助けるって言っただろ!」

その言葉にじわっときた。

「ほんと、ありが、と……」

「何、泣いてんだよ!」

そう言いながらも、私を優しく包み込んだ。

「怖かっただろ?」

私は、頷いた。

すると、私の背中をさすってくれた。

なぜか、安心した。

私が泣き止んだあと、笑顔で、

「泣き止んだことだし、教室、行くか!」

「うん!」

私たちは、手を繋いで教室に戻った。