────プルルルル…

かすかに電話の音がする。

半分寝ぼけながら受話器を取った。

「もしもし…」

「あの、中谷さまのお宅でしょうか?」

「はい、そうですが…」

「あの…。ケーキを取りに来られる時間が、過ぎているのですが…」

「えっ…?」

時計を見ると、時間はとっくに過ぎていた!

「す、すみません!
今すぐ、取りに行きます!」

「はい、分かりました!
お待ちしております」