私たちは、最初手を繋ぐことさえ恥ずかしかったのに、今は普通にできる。

ちょっと不思議。

ゆうとの首元を見るとマフラーが巻いてある。
やっぱ、この色が似合う。

それよりも、お母さんと話していた内容が、気になる。

「ゆうと?お母さんと何話したの?」

「言わねーよ!」

「気になる!教えて!」

「まりかが大人になったらわかるよ!」

ゆうとは笑顔で言った。

その言葉が理解できなかった。

肌寒い風が吹く。
私の手もだんだん、冷たくなってくる。

それに気づいたのか、

「寒い?」

「うん。ちょっとね…」

すると、手を繋いだまま、ゆうとのコートのポケットの中に入れた。

「暖かい?」

「うん!ありがと…」

手には、ゆうとの温もりがあった。