今日、正月を迎えた。

正月になったとき、俺は親父に言おうと思っていたことがある。

それは、前、暮らしていたところに戻りたいこと。

向こうで一人暮らしをして、前みたいにまりかや友達と過ごしたい。

意を決して、親父のところへ行った。

親父は寝転がりながら、テレビを見ていた。

「親父」

「なんだ」

いつもこうだ。
そっけない返事しかしない。

「俺、向こうで一人暮らしするから」

言った瞬間、目を大きく見開いて、俺の方を見た。

「お前、本気で言ってんのか…?」

「おう」

「それはダメだ」