いつも早く来るはずのゆうとが、珍しく、遅れている。

10時半…。まだ来ない。

11時半…。来ない…。

もしかしたら、急に用事が入ったとか?
もしかしたら、事故に巻き込まれたんじゃ…。

どんどん、悪い方にいっちゃう…。

すると、前から誰かが走ってきた。

その人影は、ゆうとだった!

「ごめん、遅くなって…。
電車が動かなくってさ…。
ほんっと、ごめん…」

ゆうとの息が乱れている。