これは、大事なチャンス!!

逃すわけにはいかない!

「や、やっぱり乗る!」

「じゃ、かばん貸せ」

中谷にかばんを渡し、自転車は私を乗せて走り出した。

風と、車の走る音しかしない。

中谷の背中は、すごく大きくて、男の人って感じ。

顔を覗き込むと、疲れた顔ひとつもせずに、ペダルをこいでいる。

重いだろうに…。