みんな、そろそろ帰りだしたので、私とゆうとも帰ることにした。

「みなさん、今日はお疲れさまでした。
じゃ、また明日~!」

「お疲れさま~!じゃ~ね~!」

お店を出たら、ゆうとに呼び止められた。

「あのさ、このあとなんかある?」

「ううん、ないけど…?」

「じゃぁ、行こ!」

そう言われ、連れてこられたのは、あの草原だった。

「どうしたの?」

「俺さ、明日、引っ越すことになった。
まりかにずっと言えなかった。
ごめん…」

「どこに、引っ越すの?」

「奈良だよ。でも、すぐそこじゃん!」

すぐそこって…。付き合って長いのに…。
また、苦しい思いしなきゃ、いけないの?

「行か、ないで……」

「もぅ、決まったことなんだ…」

「そんな……!」

「じゃぁ、約束するよ!
クリスマスにあの公園の噴水広場で会お!」

「本当だよね?絶対だよ?」

「おう!絶対!」

「私、明日、見送るから!」

「ありがとっ!じゃ、おやすみ」

「おやすみ…」

私たちは、それぞれの道を帰った。