思って、思って、思い続けて…

ー夕sideー


「よぉ。」



高校で初めて、俺から女子に声をかけた。


相手は入学式の時のあいつ。

黒髪のセミロングで、前髪は斜めに流している…………
いつも廊下から見てる時は横顔だけだから、改めて真正面から見ると少し緊張した。



『……………………………。』


相変わらず俺を見て固まっているだけで、なにも喋ろうとはしない。



静かな空気の中で、俺もあいつを見る。


パッチリと開かれた目は、黒髪のくせによく澄んだ茶色。色素が薄いからか、吸い込まれて行くようだ………。



「お前さ………。」








グゥゥゥゥ







『はっ!』


「ぷっ…。」




俺が声をかけた瞬間にあいつの腹が鳴った。
突然の音に笑いを堪えながらも、ちらっとあいつの顔を見る。


『……っ/////////』





「ぷっ。」




おぉ、見事に真っ赤だ


『なっ!そんなに笑わなくてもいいでしょ!////////』

かなり恥ずかしかったのか、あいつの顔はまだ赤くて、頬を膨らましながら怒る姿にまた小動物のようで笑えてくる。


まぁ、でも……
俺でも誰かに腹の音聞かれたら恥ずかしいし、女子なら特にだろう。




グイッ





『えっ、なに!?』


俺はあいつの手をとって歩き出した。




「腹。」


『へ?……。』


「だから、腹空いてんだろ?」


『そ、そうだけど……。」


「なら、いいとこ連れてってやるよ。」




あいつの返事を聞いて、少し足を速める。



この機会に、気になってたあいつの事を色々聞いてやる。








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