思って、思って、思い続けて…

2.五木 夕[いつき ゆう]




入学式から一週間たった。
あの時、私は予想もしなかった出来事に驚きすぎて固まってしまい………


まぁ、予想もしなかった出来事と言ったら失礼かもしれないけど。


あの後、近くにいた先生に早く並びなさい!と声をかけて貰うまで動けなかった。
その間例の男子生徒は、何も喋らずにただ固まっている私に戸惑っていたけれど……………



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「おい、ちょっと大丈夫か?どこか打ったのか?」



『……………………。』



「いや、黙んなよ。」






「こら!そこの二人さっさと並ばないと入場出来ないだろ!」




『へっ!!あっ!すいません今すぐ並びます!あ、ぶつかってごめんね?じゃっ!』



「はっ…、ちょっおい!」









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『…………………………。』

思い出すだけで恥ずかしい。

でも、まさか後ろ姿が綺麗な短めの黒髪だったから、外国人顔とは予想してなくて驚きすぎたってゆうのもあるけど………


まさか一目ボレとかは…………


『ないよね………。』





その後行った学校の寮の大きさと設備の良さにもビックリしたけどね。



そんな事を思いながら机にうつ伏せになる。
入学してからクラスには馴染めたけど、仲の良い友達と言えるほどの人はまだできていない。

だからつい休み時間とかに彼の事を考えてしまう。


この一週間で、彼の事は少しだけだけど分かった。



名前は五木 夕[いつき ゆう]。
外国人顔なのに、ハーフではなく純粋な日本人。
身長は178cmと長身で、ちなみに………………



「ねぇ!五木くんはいつも休みの時とか何してるの?」

「今日お菓子持ってきたんだけど、食べるっ?」

「五木くん、ねぇ………」




学年問わず女子にモテているみたい。


クラスまでは一緒じゃないけど、同じ美術科で隣のクラス。
この聞こえてくる女子の声は廊下で五木くんに群がっている取り巻き達。


「………………………。」


五木くんはいつも何も言わずに、早くその場を去りたいぐらいの表情で立ち尽くしている。
入学したての2、3日は何かしら理由をつけてその場を去っていたけど、段々と増えていく女子になす術を無くしたみたい。




私も五木くんと話したりしたいと思うけど、明らさまに困っている顔をしてる五木くんの所に群がって、一方的に話すほどバカじゃない。


ちゃんと人の事は見てるつもりだから、五木くんが疲れてるんだろうなと思うと少しだけだけど胸が痛かった………。




『まぁ、私が心配してもね。』





そろそろ授業が始まる。




私は、教科書とノートを机から出した。










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