思って、思って、思い続けて…

10.クロちゃん



ビーッ




大きい機械音が耳に響く。

ここは校舎の隣にある体育館。
私は、来週にある球技大会に向けてクラスで決めたメンバーで練習をしてた。




毎年球技大会は、入学式から少しした6月と、卒業式前の2月の2回に分けて開催される。


種目はバスケとバレーのみ。
この学校は芸術専門校だから、体育館で先生達が監視できる範囲の種目しか出来ないことになっている。

しかも数人で出来るバレーとバスケ。
私はバスケが物凄く苦手で、少しマシなバレーを選んでいた。


それでも余り出来ないことには変わりは無いけど………






「姫野さん!お願い!」



『はいっ!』






バシッ





私の所に来たボールを打ち返す。

でも、真っ直ぐ行って欲しい方向に飛んでくれなくて、アウトになってしまった………





「姫野さん惜しいっ!今はあんまり上手くいってないと思うけど、練習すれば大丈夫だからっ!」





ボールを打ち返した後、近くにいた同じメンバーの女の子に言われた。





『ごめんねっ、そう言ってくれると有難いやっ』




私はその子に手を合わせて謝りながら、少し気合をいれる。



あんまり上手くいってない………



その通りだ、皆が球技大会の練習で頑張ってる中、私はどうしても練習に集中出来なかった。


この前、五木くんと一緒に帰ってから少し私には気になる事があった。






それは五木くんが口にした”クロちゃん”という人の事。

あの時は話を聞くことに集中し過ぎて気にならなかったけど、寮の自分の部屋に帰った頃に思い出して疑問に思った。





クロちゃんて………、ちゃん付けされてるから女の子なのかな………。





何故かそれが少し不安となって、心の中で駆け巡っている。



女子でそんなに仲が良さそうな子はいなかった気がするし、でも五木くんと同じクラスの子だったら教室で話してても私には分からないし………



むぅ………、モヤモヤするっ。







「よし!じゃあここら辺で休憩いれよっか。皆ちゃんと水分補給してねっ。」





チームリーダーの子の一声で、皆水飲み場に向かい出す。




少し休みたかったし、私も水飲み場に向った………










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