ザワザワ…



待ち合わせ当日。

「…早く着きすぎたかな」

…ちょっとだけ、楽しみやった。

普段TVで見とるアイツがほんまはどんな人なんか知る機会。

うーーん…

せっかくここまで来たならジャニショ行きたい…



タッタッ…



「お待たせ!」

眼鏡をかけた重岡がやってきた。

白のTシャツにグレーのカーディガンを着てる。

「……」

「ん?」

「私服、マネキンごと買った?」

尋ねると目を泳がせた。

この人ほんまにアイドルか…笑

「髪はねてるし〜笑」

「はっ!?嘘やん!?」

「ほら、ここ」

自分の頭を触り、鏡の代わりになった。

「はっず…///」

顔が赤くなって腕で顔を隠した。

…こんな顔するんや…。

「ほら、映画始まるからはよ行こ?」

「お、おう」

…あ。

重岡が横に並んだ時、ふと思った。

「重岡って背高いんやなー」

私が153cmやから…

20cm差!?

結構あるなぁ…

「なべちゃんちっさいもんな〜」

「なっ!?そんな差ないし!」

「ほんまか?笑」

むー…


ヒョコッ


「ほらっ!」

「…///か、顔近いってー…///」

…!!///

「あっ!ご、ごめん…///」

背伸びをすると重岡と顔がめっちゃ近かった。

無意識って恐ろしい…

「…///」

私よりも顔が赤い重岡。

…ほんまに私のこと好きなんや…。

…なんて少し自惚れてしまった。

「よ、よしっ!映画はよ行こっ?」