いつもと変わらない放課後の部室。




「 ううむ、これはゆゆしき事態でござるよ。 秋人氏。」




「 ん? 」



秋人は漫画を読みながら、適当に返事した。




「 久留米さんのことでござるよ 」



秋人はやっと視線を時夫に向けて返事をした。


「 なにが? 」


「 入部して3日たつのに、まだあれから一回も姿を現していないでござる。

ソレガシたち、なにか気にさわることをしたのでござろうか? 」



いつになく神妙な顔つきの時夫とは対照的に、秋人は なんだそんなことか、といわんばかりに漫画にまた、視線を落とした。




「 こんな部だからな。合えば自然と残るし、合わなければ自然と離れる。
だれのせいでもないさ。」


「 もっともでござるな。我々は悲しいかな
マイノリティー。 大衆にはこの崇高な趣味を理解されないでござるからな。」



ちょっと意味が取り違えられたようだったが、まあ、いい。
秋人はわりと適当なところがあった。