クラゲの涙



小さな公園にはそれ程遊具はなかった。

……やっぱりブランコでしょ。


駆け寄って座った小さなブランコからは想像通り綺麗な月が見えた。


「……… 〜♪」

なんでもない普通のフレーズ。

歌詞もないただの鼻歌。


誰もいない公園の静けさと、これから寒くなる空気と、足元を照らす月の光は私の心を揺すぶった。


「………」


息を吸い込んで、小さな声でも月に届くように、



歌った。