「もしもし、海斗さん?」
『おう、櫻木。今大丈夫?』
「今は____ 」
ちらっと莉子ちゃんの方を見ると両手で大きな丸を作っていた。
「はい、大丈夫です」
『悪いな、あのさいきなりなんだが今度家来て欲しくてな…』
「…?海斗さんのお家ですか?」
『そ、別にやましいことは無いぞ!?そのー…見せたいものがあるというか…』
電話越しの海斗さんは少しテンパっていた。
ちょっと可愛い……
私は少し迷いながらも海斗さんの誘いを受けることにした。
「いいですよ、いつにしますか?」
『すまんな、今週の日曜に櫻木ん家迎え行くよ。あ、大地と嶋も誘っとくから良かったら友達連れてきてもいいよ』
「えっ、いいんですか?」
『いいよ。それにいきなり2人きりは櫻木の友達から信頼失いそうだし』
「ふふ…分かりました誘っておきます」
それから海斗さんは適当な日時を言って、おやすみと挨拶してから電話を切った。
「なんだって!なんだって!」
莉子ちゃんは食らいつくように私を見つめる。
「今週の日曜、3人で海斗さんのお家来ないー?ってお誘い。あっちも嶋さんと大地さん来るみたいだよ」
「はい、行きます」
「即決かい」
「咲は引っ張って連れてこう」
海斗さんの見せたいものかなんなのかを気にしつつ、2人が嶋さんと大地さんとイイ感じになれば良いなと考えていた。
そして莉子ちゃんは楽しそうに大地さんの話を始め、一晩中聞かされた。