ー平野 凌sideー




「りょ…ちゃん…」

「……」

夢でも見てるんか?

玲音は、ベッドでうなされとった。



ガチャッ



「凌くん、わざわざありがとう」

「…いえ」

おばさんがお茶を出してくれた。

「アンタらなんかあったの?ここ最近のこの子、凌くんの話してくれようなったかったから…」

「…はぁ」

「まあ、思春期やからしょうがないのよね?」


…最後にこの部屋に来た時と、変わったことといえば、俺との写真が貼られたコルクボード、小学校ん時の写真、全部無くなっとった。

「…ほな、俺帰ります」

「ありがとうね?」



バタンッ



…何やねん。

自分からあんなことしといて。

「…アホ女!」

いつもベッタリくっついてきたり、笑ったり泣いたり…

「……」

最初から、俺のこと本気ちゃうかったくせに。



プルルルッ…



「ありさか?今から行くから待っとけ」