キーンコーンカーンコーン…




カサッ



「……」

「は?また手紙書いたん!?」

「だ、だってー…」

口で伝えるんは、恥ずかしいといいますか…。

冬休みの前日。

私は凌ちゃんの靴箱にラブレターを入れた。

「…ちょうど1年かあ…」

1年前。

同じことをして、同じ人に最低なことをした。

…はっ!?

凌ちゃん、トラウマとかなってないかな!?

な、何で手紙にしたんや私…泣。

「ほーら。終業式始まんで?」

「うぅ…」

※女子高生の皆さん、告白に手紙は控えましょう。

「あ?アンタ、誰に言うてんの?」

「内緒ー…」

はぁぁぁ…

「えー長期休暇に入りますが、気を抜かず…」

校長の話も耳に入らん…

…凌ちゃんも大きくあくびしてる。

はぁぁ…

フラれたらどないしよ…?

もう5冠の空さまには頼れへんし…




キーンコーンカーンコーン…




「あんた全然話聞いてなかったやろ?」

「だってー…」

気になりすぎて。

気になる木ですからー♪的な感じやわ。

「何言うてん?あ、ほら!」

…!!

教室に戻る渡り廊下の向こうから、凌ちゃんとジーコが歩いてきてた。


私は、思わず下を向いた。

「……」

すれ違った瞬間、耳元で囁かれた。

とっさに固まる私。

「……!?」

「…どした?玲音??」

え?

凌ちゃん…?

今…

なんて?

「は?ちょっ、玲音!?」

神様、これは夢ですか、幻でしょうか?

(「今日から彼女な。」)

(「今日から彼女な。」)

…彼女っ…!?

「…りょ、凌ちゃん、待って!!」

走って、凌ちゃんを追いかけた。

「待ってって!」

教室に戻る人の中、凌ちゃんを追いかけた。



ガシッ



「捕まえっ…!?」

「あぁ?」

Wow!!!ブタゴリラ!!

…誰だ!?

いつから凌ちゃんと勘違いして追いかけてたんや!?え!?

「りょ、凌ちゃ…」

「プッ。クククッ。アホかお前、笑。どこ見てんねん。俺はここおるやろ?」

凌ちゃんが立ってる。

私の目の前に。

「凌ちゃっ…」

「俺は、お前の口からYes以外は聞かへんからな?」

な、なんて俺様な…

でも、「私も、Yesしか言わへんで」なんて、恥ずかしくて、私は顔を見ずに言った。

「…なっっ…///」

顔を上げると、凌ちゃんは、耳まで真っ赤になってた。

「か、帰り、校門で待ってるからな!」

「う、うん!!」

…夢、ちゃう…よね?

凌ちゃんと…私…

「…ふふっ///」