キーンコーンカーンコーン…



夏休み。

なんてあっという間なんやろ?

水族館、ユニバ、映画に海…

「何日あってもモノ足りひんなー…」

「げー!手帳にプリとか古典すぎやな」

「ええやろー!」

「昨日塾の近くで空くんにも会ったけど、惚気やばかったで?まじキモい」

「…てかあんた、本当にそれでよかったん?」

沙良がコーラを飲みながら言うた。

「何がー?」

「平野はもうええのん?」



ピタッ



私の動きが止まるのを沙良は見逃さなかった。

「女子とつるむんやめて、黒髪でピアス1個。アイツほんまにあんたに本気やで?」

「私には、関係無いやん。てか、空くん紹介したん、沙良やん?」

「そらそうやけどな…」

…凌ちゃんを好きな気持ちなんてもうどこにも残ってへんよ。

全部、空くんが忘れさせてくれた。

「あんたがほんまに永瀬のこと好きなんやったら止めへんけどな」

「…うん。ほんまに好きやで」