カツカツ…



「…へへっ///」

一人で帰る20時過ぎの帰り道。

中学の部活以来…

映画一本見てたら遅くなっちゃった。

…空くん、途中で寝てしまったし。

弟の駿佑くんの子守りみたいになっちゃったし。

「…まぁ、可愛かったからええか、笑」



ガチャッ



「おかえり」

…え?

凌ちゃん??

「えっ?その髪…」

普通に部屋におることにも驚いた。

けど、それ以上に、凌ちゃんの髪が黒になってた。

「あ、これ?ジーコにやってもらってん、笑。地毛でもこんな黒ないで?」

「へ、へー…」



パチッ



「わっ!ご、ごめん…」

黒髪があまりにも珍しくて無意識に凌ちゃんの顔に近づいていた。

…ピアスも一個しか付けてないやん。

「どーしたん?いきなり…」

「まー、イメチェン??」

「…まぁ、かっこええんちゃう?」

「さんきゅー、笑」

やっぱ凌ちゃん、チャラいわー、うん。

「…あのさ、俺とおってドキドキしたりせえへん?」

…え…?

突然、凌ちゃんが真面目な顔になった。

「せ、せえへんよ…」

目をそらして、私は凌ちゃんから離れた。

「ほんまにか?」

「……」

やめてや、そんなん…。

「嘘ついてるん、お前のほうなんちゃうんか?」

「…嘘なんてついてへんで」

「ふーん?そうか」



バタンッ…



…嘘ちゃう。

私の空くんへの気持ちは…

「嘘なんか、ちゃうよ…ね…?」

好き。

そうに決まってる。

楽しいし、嬉しいし、もう会いたい。

…ほら、ちゃんと気持ちあるやん。

「…ハハッ…」