in喫茶店



「ええ人おらんかって?」

「うん!そうそう」

「……(永瀬はガン無視なんやなー)」

沙良やったらバイトもしてるし、繋がり多いし…

「…あんたに1番の良物件紹介したるわ」

「え!?ほんま!?誰?誰!?」


「永瀬や!」

…はい?

そ、空くん?

え?

「え?空くん?ないない。ないってー!!」

良物件が駅近の2DKのマンションなら、空くんは近所のコンビニ。

いつでも頼れて、そばにおる。

「アホんだらー」

へ?

沙良が手をパーにして一つ一つ指をおって、言いだした。

「あんなに、イケメンで、成績優秀で、優男で、一途で、運動神経抜群でしょ?5冠やで?そんな人おらんで?」

ご、5冠って…

とてつもなく素晴らしいもんに聞こえるわー…

「5冠やで!!こんな良物件無いで!?︎五つ星やで!?」

沙良のまくしたてる勢いにちょっと引いてる私。

「う、うん」

確かに、空くんが彼氏やったら、幸せにしてくれそう…。

「私も協力するから!花火大会で確実に2人になるんやで!?」

「う、うん!分かった」

空くんを好きになる。

今まで友達として接してきた私には、どうやって好きになるんかよう分からんかった。