ー永瀬 空Sideー




「彼氏ちゃうのに、凌が玲音に突っかからんといてや」

これ、中学ん時から思ってた。

中学ん時からチャラチャラしとるくせに、ちゃっかり可愛い彼女作って?

その上幼馴染は特別みたいな?

「俺、遠慮とかせえへんから」

中学の頃から、凌と知り合った時から、ずっと、その隣にはアイツがおった。

「え、ちょっ!凌ちゃん待ってや!」

いつも凌を追いかける玲音の後ろ姿をずっと見てた。

それに対してまんざらでもない凌。

…あっ。

てっきり、俺はあの二人は両思いで、付き合うんやろな〜…って思ってた。

やけど、中2の秋。

「は?彼女出来たん?」

「隣の中学のやつ」

いつもと変わらん会話で、凌は普通に俺に話してた。

「…わけわからん」

彼女がおるのに何で玲音にこだわるん?

「…嫉妬やん、俺」

あかんあかん。

クールで真面目なキャラやろ。

「…兄ちゃん何しとん」

ドアの隙間から俺を見る弟。

「キモッ」

「お子ちゃまにはまだ分からんねん」

「どーせ玲音︎のこと考えてたんやろ?」

「呼び捨てすんなや、クソガキッ」



ピンッ



弟の駿佑にデコピンした。

「いってー!兄ちゃん晩飯のエビフライ無しな」

「それはあかんで!」