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ガラッ
「失礼します。2年テナーサックス、如月日和です。お願いします。」
一礼する
「どうぞ、座って。」
できるだけ静かにドアを閉め、椅子に座り、譜面を譜面台にセットする
「それじゃあ、章節番号の7から35まで吹いて。自分のタイミングで入ってくれたらいいから。」
「はい。」
ピッピッピッとチューナーメトロノームの音だけがとても大きく聞こえる
─ボン
焦ってずれたあげく音がつまってしまった
「すみません。もう1回吹き直させてください。」
「どうぞ。」
小さく息をはき、落ちついて、吹きはじめる
~♪
「じゃあ次は50から62。」
次々と指示される箇所を吹いていく
4ヶ所くらい吹いたあと
「では、これで終わります。」
「ありがとうございました。」
どうにか終わった
心音が大きく私の体に響いていた
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