楽器を取りに楽器庫に3人で向かう
「やばーい!やっぱり昨日帰ってからすごい緊張して寝つきにくかった~。今も緊張っていうか、ああもうどうしよう!?」
早口で一気に言った美奈
ともかく落ち着け
楽器庫に着き、それぞれの楽器と譜面台を持つ
千夏がニッコリ笑って口を開いた
「これまであったことを思い出したら大丈夫だよ!」
たしかにそうかも
これまでたくさん練習してきたんだ、それが力になるはず
「これまでしてきたことを糧にしたらいいんだよ!
ほかにも…いろいろな出来事とかあったし、それもお守りみたいなものでしょ!」
ククッ
出来事って…
「出来事って…、ふふ。
うんうん。いろいろあったね~。
励まし合ったり、一緒にお弁当食べたり、
…………千夏がトイレに閉じこめられたり、トイレのドアを蹴破ったり、押すタイプのドアが引くタイプのドアになったり…
いろいろあったね~~~。」
そう。私たちにはトイレ事件というなんとも頼もしいお守りみたいな出来事があるのだ!!
「─アハハッ!たしかにそうかも!!」
さっきまでガチガチだった美奈がケラケラと笑っている
「そうだね。─って!後半!後半ほぼ私!!」
千夏をいじりながら教室へと向かった