そして先生と別れ、荷物たちの待つところへ行く
「はー、とりあえず一件落着だね。」
そう言って疲れたように荷物を持つ美奈
「焦ったー!開かないんだもん。」
そうなのだろうけど、ケラケラ笑ってそういう千夏には焦ったということの信憑性はほぼない
「ていうかなんであそこだけ開かなかったんだろうね?
日和のところはちゃんと開いたんでしょ?」
「うん。こっちは普通だったよ。
変なところに当たっちゃったね、千夏。」
少し可哀想に思い千夏のほうを見る
「いやー、実は入るときに閉まりにくいなーと思ったんだけど気にせず無理矢理閉めたんだよね。」
…それ、未然に防げたんじゃないの?
「なんか、オーディション前日感が一切ないよ。」
さっきので一応心の片隅くらいにはあった緊張のカケラは完全に消え失せた
「明日頑張ろ。」
ポツリと呟き、3人で並んで帰った