「なにが、好きやって?」 小さくこぼれたはずの 言葉を拾ったあいつ。 「この時期の香りが好きやなーって思って」 「…俺も好きや。」 ドキッと高鳴るうちの心臓。 自分のこととちゃうって分かっとるのに 錯覚してまいそう。 あいつが夜空を見上げてる その横顔が夜やのに うちには眩しすぎた。